新編・歯科医療とはなにか・・書評

テキスト ボックス: ここでは「歯科の雑誌に掲載された」
読んでおきたい、この1冊に紹介されていた書評を紹介します。
この記事を書いた人はよくこの本を理解
しているように思います。(ムラタ・・)
テキスト ボックス: 飯塚哲夫 著
愛育社  1300円
テキスト ボックス: 新編  歯科医療とはなにかテキスト ボックス: 第2部は「釜中(ふちゅう)の魚」と題されている。一般
に「危機が迫っている」という意味の言葉だが、著者は「未来がない」という意味合いで歯科界をだぶらせる。
著者は脅しや投げ遣りな気持ちでこの言葉を選んだわけではない。しかし「歯科界」「歯科医師」の現在の在り方はもはやそれ以上でもそれ以下でもまく、また「歯科医業」「歯科医学」も現在のままではいずれ同じ様な道を辿るだろう。 
 歯科界「冬の時代」と言われる 現状をただ嘆くのではなく、第1部に述べる歯科医療の現実 を正確に把握した上で、「歯科医業」というものを根本から見直してみよう。「歯科医療」という言葉をタイトルに掲げた、著者の前向きな姿勢に気付けば、この一冊から学ぶことは大きいに違いない。 
テキスト ボックス:  本書を読んで、内容の斬新さにあっと言わされた。著者が現役歯科医ということで、一種の啓蒙書にすぎないとたかをくくっていたが、実際はそんなに甘く、簡単なものではない。
 歯科医師の評価は日本だけではなく、世界を見渡してみても長いこと低かった、という切り出しで始まる本文。それだけでも意表を突くが、『「歯科医業」は評価が高かったが、「歯科医師」は「歯科医業」を行う 存在ではない』、『「歯科医師」が行っているのは「つめたり、かぶせたり」という一種の「大工仕事」である・・・』と続く。
 その理由を紐解いていく過程での、有無を言わせない綿密な理論の中に、著者の歯科業界の現状に対する苦渋と、歯科医業に対する思い入れが伝わってくる。